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【(有)クラフト・アリオカ】日々の暮らしに寄り添うずっと手元に置いていたい讃岐の逸品

2014年04月02日

クラフト・アリオカの木工品

木目を感じるシンプルな美しいフォルムの器は、そのままずっと眺めていても飽きない佇まい。
まだ使用年月の短い肥松の器は、少し手に残る独特の触感と木ならではの暖かみを感じます。

日本は国土の約67%、3分の2が森林で覆われており、私たちの暮らしと木々の関わりは古くから切っても切り離させないものでした。
もちろんそれぞれの地域ごと風土に適した木は異なります。

香川といえば、全国の約8割のシェアを誇るほどの盆栽の一大生産地。
盆栽の樹種として昔から使用されているのが黒松です。
その黒松の中でも、樹齢300年以上の油分をたっぷりと蓄えた木の中心部が肥松。

肥松は100年程の時間をかけて色が飴色に変化し、手触りも使用するごとに良くなるという特製を持っています。「親子孫三代続くことでその家が完成し、栄える」とされていた日本の考え方や、松竹梅にも表現される松そのものが持つ吉祥の象徴的な意味合いも相まって、肥松は高級木材として重宝される木材でした。
香川では黒松の育ちやすい環境があり、昔から良質な肥松が採れていたため、大阪や京都など広く出回っていました。
またろくろ仕上げの肥松の木工品も江戸時代から作られており、茶人などに愛好されていたようです。

クラフト・アリオカの木工品

肥松の天板。年月を経るごとに飴色になり丁寧に拭き込んで使用する事でつやが増します。

そんな肥松を使用した木工品を作っているのが、高松市内に工房をもつ有限会社クラフト・アリオカです。
田んぼの広がる、讃岐らしい細いクネクネとした小道添いにその場所はあります。
讃岐式のろくろで挽いた木工品を今でも作る工房です。

クラフト・アリオカの木工品

「父が木工を始めたのは戦後まもなく。終戦後、兄弟たちが戻ってきて食べるものがないので木の加工を仕事にしたのが始まり。」と工房の成り立ちを教えてくれます。

今回お話を伺ったのは、2代目肥松の伝統工芸士有岡成員さん。

クラフト・アリオカの木工品

最初は輸入木材を加工し外国に売っていましたが、やがて国内の木の加工をろくろで始めるようになります。

その際に、低調しかけていた香川の漆芸を再興させた人間国宝の磯井如真氏に腕を買われ、氏に提案され作り始めたのが肥松との出会い。
肥松は油分を多く含む特製のため、加工が非常に難しく、高い技術が必要となります。

また肥松の器の制作を後押ししたのが、香川のかつての知事、金子正則氏。

仕上げの油に酸化しにくいオリーブオイルを使用するようアドバイスを受け、いまでもクラフト・アリオカさんの作る肥松の仕上げはオリーブオイルです。

そんな偶然の出会いが重なり、幻とまで呼ばれていた肥松が、今、再び私たちでも手にできるようになりました。

クラフト・アリオカの木工品

光に透かすと、油分を多く含むため木であるにも関わらず光が透ける。

クラフト・アリオカの木工品

工房に置かれた道具たち。道具も自ら作った物が多い。

クラフト・アリオカの木工品

松脂の多い肥松は、ろくろで削っていくと顔中が木屑だらけになってしまうほど。

有岡さん曰く、死んだ木を使ってもだめで、生きているうちに切り出した木でないと、この肥松独特の時間による色の変化は生まれないのだそうです。

しかし、残念な事に、樹齢300年を超える黒松は現在ほぼ入手できない現状。
もしあったとしても、切り出してから20年間以上は寝かせないと使用できないため、「今ある父親の代のストックを使っていくしかない」と有岡さんは語ります。

クラフト・アリオカの木工品

材料である肥松も、天井付近の軸からベルトを引いた横向きに座るロクロの造りも、讃岐で受け継がれていたもの。

「壊れても人を傷つけることの少ない"木"。
作られているものは人にやさしいものが多い。」

時間の経過と共に味わいが増す、有岡さんの作る器。

日々の暮らしに寄り添うずっと手元に置いていたい讃岐の逸品です。

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